本記事は即払いサービスを利用されている企業様向けに、即払い金額と月次支払い金額それぞれの算出について説明しています。
0. 源泉徴収所得税とは
源泉徴収所得税とは、本来は本人が納める所得税を企業が先に差し引いて国に納める仕組みです。
源泉徴収所得税は、所得税の対象となる支給項目を合計した給与金額に対して国税庁が公表している源泉徴収税額表の給与額に当てはまる税額によって決定されます。
(所得税の対象となる支給項目例)
- 基本給
- 法定時間外割増
- 深夜時間割増
- 法定休日割増
- 週40時間超割増
- 月60時間超残業割増
- 休業手当
(所得税の対象とならない支給項目例)
- 交通費
(例)
基本給: 10,000円
法定時間外割増: 1,000円
交通費: 500円
所得税の対象となる支給: 10,000円(基本給) + 1,000円(法定時間外割増) = 11,000円
源泉徴収所得税: 43円
ユーザーへの給与振込は、
- 11,000円(所得税の対象となる支給)から43円(源泉徴収所得税)を控除した10,957円
- 500円(交通費)
――、合計11,500円となります。
一括明細CSVでは、10,957円が「(5)給与立替金」、500円が「(6)交通費立替金」となります。
1. 即払い金額の算出
<支給するもの>
- 基本給(所得税の対象)
- 法定時間外割増(所得税の対象)
- 深夜時間割増(所得税の対象)
- 法定休日割増(所得税の対象)
- 交通費(所得税の対象とならない)
<控除するもの>
- 源泉徴収所得税(※)
※ その就業で発生する源泉徴収所得税に対し、その就業全体での課税対象支給額から即払いで課税対象支給額となる金額の割合に応じ按分した税額を源泉徴収します。
(例)
基本給: 15,000円(即払い対象)
法定時間外割増: 1,500円(即払い対象)
週40時間超割増: 1,100円(即払い対象外)
交通費: 500円
源泉徴収所得税: 300円
300円 × (16,500円 / 17,600円) = 281.25円 ….282円
*小数を含む場合は小数第1位を切り上げします
2. 月次支払い金額の算出
<支給するもの>
- 週40時間超割増(所得税の対象)
- 月60時間超残業割増(所得税の対象)
- 休業手当(所得税の対象)
- および、即払い時に未支給の基本給(所得税の対象)、各割増賃金(所得税の対象)、交通費
<控除するもの>
- 源泉徴収所得税(※)
※ その就業で発生する源泉徴収所得税に対し、その就業全体での課税対象支給額から月次支払いで課税対象支給額となる金額の割合に応じ按分した税額を源泉徴収します。
(例)
基本給: 15,000円(即払い済)
法定時間外割増: 1,500円(即払い済)
週40時間超割増: 1,100円(月次支払い対象)
交通費: 500円
源泉徴収所得税: 300円
300円 × (1,100円 / 17,600円) = 18.75円 ….18円
*小数を含む場合は小数第1位を切り捨てします
3. 算出例
<通常の就業・即払いあり>
(例)
基本給: 10,000円
交通費: 500円
源泉徴収所得税: 8円
即払い:
- 課税対象支給額: 10,000円
- 源泉徴収所得税: 8円(※)
- 交通費: 500円
- 振込額: 10,492円
※ 8円 × (10,000円 / 10,000円) = 8円
月次支払い:
- 課税対象支給額: 0円
- 源泉徴収所得税: 0円
- 交通費: 0円
- 振込額: 0円
<通常の就業・即払いなし>
(例)
基本給: 10,000円
交通費: 500円
源泉徴収所得税: 8円
月次支払い:
- 課税対象支給額: 10,000円
- 源泉徴収所得税: 8円(※)
- 交通費: 500円
- 振込額: 10,492円
※ 8円 × (10,000円 / 10,000円) = 8円
<一部休業手当有りの就業・即払いあり>
(例)
基本給: 10,000円
深夜時間割増: 1,500円
休業手当: 1,000円
交通費: 500円
源泉徴収所得税: 98円
即払い:
- 課税対象支給額: 11,500円
- 源泉徴収所得税: 91円(※)
- 交通費: 500円
- 振込額: 11,909円
※ 98円 × (11,500円 / 12,500円) = 約90.16円 ….91円
月次支払い:
- 課税対象支給額: 1,000円
- 源泉徴収所得税: 7円(※)
- 交通費: 0円
- 振込額: 993円
※ 98円 × (1,000円 / 12,500円) = 約7.84円 ….7円
<一部休業手当有りの就業・即払いなし>
(例)
基本給: 10,000円
深夜時間割増: 1,500円
休業手当: 1,000円
交通費: 500円
源泉徴収所得税: 98円
月次支払い:
- 課税対象支給額: 12,500円
- 源泉徴収所得税: 98円(※)
- 交通費: 500円
- 振込額: 12,902円
※ 98円 × (12,500円 / 12,500円) = 98円
<一日全て休業手当>
(例)
休業手当: 10,000円
源泉徴収所得税: 8円
交通費: 0円
月次支払い:
- 課税対象支給額: 10,000円
- 源泉徴収所得税: 8円(※)
- 交通費: 0円
- 振込額: 11,992円
※ 8円 × (10,000円 / 10,000円) = 8円
4. 2026年3月23日以前からの変更点
- 即払い時の源泉徴収所得税
(旧)即払いする課税対象支給額に応じた税額
(新)その就業で発生する源泉徴収所得税に対し、その就業全体での課税対象支給額から即払いで課税対象支給額となる金額の割合に応じ按分した税額 - 月次支払い時の源泉徴収所得税
(旧)その就業で発生する源泉徴収所得税から即払いで控除済の源泉徴収所得税を除いた税額
(新)その就業で発生する源泉徴収所得税に対し、その就業全体での課税対象支給額から月次支払いで課税対象支給額となる金額の割合に応じ按分した税額 - 一部休業手当有りの就業かつ即払い時に予め100円を追加で源泉徴収および、その後の月次支払いでの戻しを廃止
<通常の就業・即払いあり>
(例)
基本給: 10,000円
週40時間超割増: 1,000円
交通費: 500円
源泉徴収所得税: 43円
即払い:
- 課税対象支給額: 10,000円
- 源泉徴収所得税: 8円(※1)旧
- 源泉徴収所得税: 40円(※2)新
- 交通費: 500円
- 振込額: 10,460円
※(1) 日額表で課税対象支給額10,000円に該当する税額
※(2) 43円 × (10,000円 / 11,000円) = 約39.09円 ….40円
月次支払い:
- 課税対象支給額: 1,000円
- 源泉徴収所得税: 35円(※1)旧
- 源泉徴収所得税: 3円(※2)新
- 交通費: 0円
- 振込額: 997円
※(1) その就業で発生する源泉徴収所得税(43円)から即払いで控除済の源泉徴収所得税(8円)を除いた税額
※(2) 43円 × (1,000円 / 11,000円) = 約3.90円 ….3円
<一部休業手当有りの就業・即払いあり>
(例)
基本給: 10,000円
休業手当: 1,000円
交通費: 500円
源泉徴収所得税: 43円
即払い:
- 課税対象支給額: 10,000円
- 源泉徴収所得税: 108円(※1)旧
- 源泉徴収所得税: 40円(※2)新
- 交通費: 500円
- 振込額: 10,460円
※(1) 日額表で課税対象支給額10,000円に該当する税額に100円を足した税額
※(2) 43円 × (10,000円 / 11,000円) = 約39.09円 ….40円
月次支払い:
- 課税対象支給額: 1,000円
- 源泉徴収所得税: -65円(※1)旧
- 源泉徴収所得税: 3円(※2)新
- 交通費: 0円
- 振込額: 997円
※(1) その就業で発生する源泉徴収所得税(43円)から即払いで控除済の源泉徴収所得税(108円)を除いた税額
※(2) 43円 × (1,000円 / 11,000円) = 約3.90円 ….3円